無力

SNS時代によってひととのコミュニケーションは飛躍的に近づいたと一般的には言われがちだ

でも実はそんなことはない

近付くどころかずっと遠くなってる、というより変質してる

ひととひとの有機的な繋がりが薄れ、0と1のデータと化した「他人」を他人だと信じるのがSNS


データ化した「他人」は飛び飛びの他人だと思う

アナログとデジタルは違う

自分がSNS世代とは思いたくないけど、どうやらそうらしい

 

昨日は大切なひとの苦しみを目の当たりにして、自分は本当に何もできないということを改めて実感した1日だった


ネットのせいにするつもりじゃないけどね


南武線に乗って川崎駅前でひたすら立ち尽くしていた時に、これ以上ないほどの無力感にさいなまれていた


分かってはいるけども


言葉って届かないと意味がないし

気持ちも思いも情報にしなければ届かない

届く  と  伝わる もまた違うものだ

世界の色

世界には色があるんだって知りたい 

淡い青も眩しい白も

鮮烈な赤も煌めく黄色も

深い緑も底が見えないような黒も 


いつの間にか濁って灰色になってしまった私の水晶体でも 

世界の色が見えるって自信を持って言えたら


 訪れる最後を胸を張って迎えられるだろう 

だろうか


世界の全てを愛おしく感じたい 

砂浜のキラキラした粒 

薄く光を湛えた水面 

寂れたプラネタリウムの単調な機械音 

時代に取り残されたような小さなレストラン

 看板に擦れた字 

でも都会の中にも美しさはある 

初夏、緩く雨が降ったあとの空気 

そんな深夜に出歩くと

暗闇に立ち込める矛盾した感情


それだけ感じられたならそれ以上は要らない

 出来るなら感覚が一番鋭敏な今の時期に 

心から満たされるほどそれを感じたい 

だってこれから60年生きたとして 

過ごす時間はどんどん薄く引き伸ばされていくんだから 

時間は主観的な概念だから 

人間は根源的に時間的存在者なのだから

訪れる最後の音と世界の美しさ

自分の世界に最後が訪れる音がする

 部屋を片付けないと 

遊びに行く支度をしないと 

綺麗にオシャレして 髪も梳かして 

訪れる最後を待たせちゃいけないから

メールを送ろう「もうすぐ出るよ」って


支度をするよ そのためにまず

何も変わらない日常を味わおう

でも少しだけ遠くに出て色んなことをしよう 透明な夜の海 

煌々としたお祭り 

誰もいない小さなコテージのプール 

その淡い青 

都会では見えない星星が

朝靄と混じり合う空を見て 

幸せはこの中にあったって言えたらいいな 


それだけ

純白の夜に溶けていく自分が何か心地よいように感じて

それはダメなんだって言い聞かせて目を覚ます

痛む翼をふるいたてて立ち上がる、絆創膏は張ってあるよ

自分以外の全ての時間がとっても早く流れるように感じて

息が苦しいとふっと思ったけれどホントは呼吸をしている

夜の中に紛れてひとり煙草を吸う

ホントは何もないって気づいているよ